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Q-Uアンケートとアドラー心理学 [アドラー心理学]

朝の自主勉強会の後は
S校長先生が講師を務められた「Q-Uアンケートと構成的グループエンカウンター」
についてのゼミナールでした。
S校長先生とは、この日、朝の自主勉強会から、クラス会議学習会、そして帰りの地下鉄まで
どっぷりとご一緒させていただきました。

さて
このQ-Uアンケートは当初いじめの早期発見、早期対応のために考え出された
アンケート調査で、現早稲田大学教授の河村茂雄先生が開発されたものです。しかしこのアンケートはその後、いじめだけでなく様々な学級の状態や個の状態を理解する上でも
大変有効なツールであることがわかり、以降、全国の小中学校で大きな支持を得るようになってきました。

山梨県でも学力向上と学級の状態をリンクさせた研究もいくつかの学校で行われました。
私も6年ほど前、発達障害のある児童のいる学級をお借りして、Q-Uをとって学級の状態をつかみ
そこから構成的グループエンカウンターのエクササイズを学級活動と朝の会に組み入れ、
それによる変容と効果をまた、Q-Uでみるという研究をさせてもらいました。

S校長先生とはヒューマン・ギルドでお会いする度に親しくお話しをさせていただいているのですが
この日も「学力テストとQ-Uでバッテリーを組んだ結果を、3-Dで表せるといいですね。」というと
「僕もそう考えていた!」と言っていただき、勝手に親近感を感じていたのですが
実は、とてつもない力をお持ちの実践家であることがゼミナールを通してわかり(うすうす感じてはいましたが)
今度は勝手に師として仰がせていただくことになりました。(それにしても僕には師が多い)

ところで、このQ-Uアンケートとアドラー心理学ですが
実は非常に相性がいい。
アドラー心理学で言うところの縦の関係、横の関係、が如実に結果に表れてくるのです。
学級に縦関係を持ち込み、専制的に学級運営するとQ-Uの結果は満足群から、非承認群までの
縦型のプロットが見られるようになります。
反対に、教師がリーダーシップを放棄し、子どもとなれ合いの関係になると(注;横関係ではない、いわゆる放任)横型のプロットが見られるようになります。
だから、アドラー心理学に基づいた学級経営では第3の道、「民主的な学級作り」を目指します。
つまり、ルールとリレーションの確立であり、相性が良いどころか、目指すところは全く同じと行ってもいいかもしれません。

また、Q-Uアンケートをもとにした学級のコンサルテーションに河村先生は
K-13法という問題解決のツールを開発されました。
これも、アドラー心理学に基づいたクラス会議の提唱者である
ジェーン・ネルセンが「クラス会議で子どもが変わる・・・」でとりあげた
「教師による教師のための勇気づけ会議」と通ずるものが多々あるのです。
やはり目指すところが同じならば、その方法も近いものになるのでしょう。
研ぎ澄ませていくことで良いものはだんだん似てくる。
(プリウスとインサイト?)

Q-Uをとることで
自分が「専制的な縦関係を強いるリーダーになっていないか。責任を恐れる放任的なリーダーになっていないか。」が手に取るようにわかるのです。
アドラー心理学を学級経営にうまく生かせているかどうか、これが手に取るようにわかってしまうのです・・・。

怖いけれど、等身大の自分に向き合う最適なツールでもあるのです。




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