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シェルパ斉藤氏講演と、環境教育事例発表 [教室]

今日は脱温暖化セミナーでシェルパ斉藤氏の講演会がありました。
二本の足で歩いての世界中を巡る旅は「早い、便利、簡単」の逆の生き方そのものでした。
斉藤氏も自分の家は自分で建てたそうで、自宅併設のカフェに遊びに行きたくなりました。

講演終盤でのサミットへの提言、これが必聴でした。
奥様と二人と犬2匹で散歩されている写真を見ながら

「喧嘩していても横並びで歩いているうちに、自然と仲直りしてしまう。きっと、同じ方向を見て歩いているからでしょう。向かい合ってると、どうしても対決し姿勢なんですね。だから、サミットとかの会議もみんな横一線で歩きながら話し合えば、ポジティブなアイディアを引き出せるんじゃないでしょうか。」

と、お話しされました。そういえば、私がいつも感心させられる私より若い教員(息子の担任)も、子どもとよく横並びで歩きながら話をしています。時には腕を子どもの肩に回して・・・。野球のスポ少でコーチもしているのでそのせいもあるでしょうが、そうやって話すだけで「共通の課題に向かう仲間」っていう感じがしませんか?
「さっきさぁ、あいつに『しねっ』って言ってただろう?あれって、おまえらしくないけど、どうした?」
「うん・・・ついかっとなって・・・」
こんな感じの二人の会話が聞こえてきそうです。
サミットでのお散歩会議の実現は(するといいですが)難しそうですが。
教室ではいただきです。校庭の階段に腰掛けて、ブランコに揺られながら・・・応用もききますね。

講演に続く事例発表は私も10分だけ担当させてもらったのですが、
わざわざ聞きに来てくれたクラスの子どもたちにいいところを見せようと気負ったせいか、ずいぶん緊張してしまいました。でもこんな嬉しいことはありません。子どもたちに、連れてきてくださった親御さんに感謝です。

夜は懐かしい研究の仲間と飲み会。
忙しくも充実した一日でした。



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読書感想文はどうして書くのか~2 [教室]

昨年、書きかけ、そのまま放置してしまった読書感想文についての記事にご批判をいただいた。
http://yuukiduke.blog.so-net.ne.jp/2009-11-25

改めて、読書感想文はなぜ書くのか考えてみたい。そして読書感想文コンクールについても
その意義をもう一度考えてみたい。

(私が批判したのは読書感想文やコンクールそのものではなく、イヤイヤ書かされたり参加さ
せられたりし、逆に本嫌いになる子どもが残念ながら少なくないということに対してである。)
http://www.onda-honpo.com/dokkan-sanpi/

では何のために読書感想文コンクールはあるのか? そもそも、読書感想文はどうしてかくのか?


読書感想文の意義

気づきや感動を言語化し書きとめておくことによってそれをいつでも引き出せるようになる。

以前ブログで、スポーツを練習するとき、なぜ言語化するのか云々、
言語化していろいろ説明する必要はないのではないか云々と書いたことがあるが、
その答えと、共通すると考えている。
つまり、言語化することによって、感想文の場合は言語化できない部分まで含めた物語り全体からの感動、
スポーツの場合は言語化できない多くの体全体の動きや感覚、にラベリングができるのではないか
と考えたのである。たとえばそれをクリックすればすべてが再現されるアイコンのような感じだろうか。
読んだ本が自分のものになる、ということである。

子どもたちにはどう伝えよう?
「いくら良い本に出会って感動しても、時間がたてば薄れていってしまいます。でも、感想文にして書いておく
ことによって、いつでもその時の気持ちを思い出し、味わうことができるようになります。一度読んだ本を、何度でも何度でも味わうことができるのです。」
このように伝えたらどうだろう?
本を読んで一度でも感動したことのある子どもなら、腑に落ちてくれるのではないだろうか。
この場合「読書感想文」でなくてもよい。読後の感想を簡単に書くだけでもよいと思う。

ただし、その前提として
本を読み味わい、感動する力が必要である。それをどう育てるかについてはまた改めて考えたい。

感動を誰かに伝えたいと思い伝える。その内発的で自然な行為として。

「ねえ、何々見た?」
「ねえ、何々聞いた?」
「ねえ、何々した?」
「ねえ、何々読んだ?」
「おもしろかったよね~」
「感動したよね~」
「泣けるよね~」

人は放っておいても、必ずコミュニケーションする。
(放っておかないとコミュニケーションしなくなることはある。)
だから本を読み心が動かされれば、必ず誰かに話したくなる。伝えたくなる。
私はこのことをとても大切なことだと思っている。
それだからこそ「読まされる・書かされる」感想文に過剰に批判的になるのかもしれない。
私の記事に批判を寄せてくれたNO NAMEさんのお子さんは、課題図書を何度も繰り返し
読んだそうである。本を読み心が動いた子どもなら、書かされなくても自分から書くだろう。
感想文を「問題」としてとらえるのではなく「チャンス」として考えられるだろう。
そうなれば、自分の思いをどう表現したら相手にうまく伝わるのか考えるだろうし、知りたくなるだろう。

ただ、読書感想文の問題点も同時にここにあるように思う。
つまり、感想文を書く子どもが伝えたい相手は誰なのか?ということである。
「お母さん聞いて」なのか「先生聞いて」なのか「みんな聞いて」なのか。
そこが明確でなければ「伝えたい(=書きたい)」欲求は内発的には生まれない。
伝えたい相手と伝わる相手のズレがはじめから見えていると、書く意欲は生まれない。
良心的なコンクールならば、全員とはいかないまでも、入賞者には選者のコメントがほしい。
受け手のいないボールを投げるのはむなしい。

それはさておき、
ここでも出発点は本を読み、感動する力である。

そしてそれに加えて、感動を言語化し、書く力である。

ここにコンクールの意義がある
どうしたら自分の気持ちにぴったりする表現ができるのか
どうしたら、自分の感動を相手(明確にしたい・・・)に伝えることができるのか
同じ本を読んだ友達はどんな感想を持っているのか
それがコンクールに「参加することでわかる。」


実は参加してもわからない場合が多い。(残念)
子どもたちがほかの友達の作品を読む機会はほとんどない。
同じ本を読んだ子どもが、「あんな風に感じたのか、あんな風に書けば気持ちがうまく伝わるのか。」
と、わかり、感想を交流できる場にコンクールがなっていなければ
残念ながら入選者(選者のバイアスというふるいに残った)中での小さな交流にとどまる。


今回この記事を書きながら、他の方々は、読書感想文についてどう考えているのだろうと思い
上述の読書感想文への賛否(「読書感想文は児童・生徒の読解力と文章作成力向上に役に立つのか?」)やWikipediaをひいてみた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E6%84%9F%E6%83%B3%E6%96%87
読書感想文は学習指導要領に明確に位置づけられてはいない。このことはWikipediaにも書かれており
感想と意見、事実を明確に分けて論述する能力が小学校5・6年生で求められているが、これは読書感想文と
はねらいが違っている。またWikipediaでは述べられていないが、学習指導要領に、「本を読んで推薦の文章を書くこと」が5・6年生の言語活動として例示されている。この言語活動の根拠は、「登場人物の相互関係や心情、場面についての描写をとらえ、優れた叙述について自分の考えをまとめること。」であり、ここを根拠に、「読書感想文」という言語活動もある程度可能だろう。しかしねらいは自分の考えをまとめそれを例えば推薦文にまとめて、誰か(友人や家族)と交流することである。
1年生から4年生では、「本に親しむ」ことを目的とした活動(例えば本の帯を作る)は教科書にあるが「感想文」としてはない。感想を書いたり話し合うことはあっても、「読書感想文」というジャンルは小学校1~4年では見あたらない。
学習指導要領で小学校全学年を通して一貫して主張されているのは、「本を誰かに紹介する」という「相手意識」である。
課題図書選定の問題等がないわけではないようだ。
読書感想文コンクールをきっかけとして本好きになる子どもも確かにいるのだが、コンクールのあり方やコンクールへの参加のさせ方などの工夫をしなければ、本嫌いを作ってしまうのも一方では事実のようだ。

私はむしろ、小学校低・中学年のうちは(一人一人の発達段階にもよるが)読書日記を読みあったり、本の短い感想を模造紙にどんどん書けるようにしたり、付箋に書いて貼る場所を作ったり、本を読んだ子どもの本音の交流を活発に行い、本好きを増やしたいと思っている。そういった中から、自然と読書感想文が書けるようになり、コンクールにも参加したいという子が出てくればいいと思う。読書感想文コンクールは、子どもたちに紹介はするが、一律に宿題として課すことについては考えなければならないと思っている。

NO NAMEさんのご批判をきっかけに、本を読むこと、その感想を交流すること意義についてより深く考えることができました。改めて感謝申し上げます。








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