SSブログ

美術館での学び:認知と視覚障害 Rebecca McGinnis [アドラー心理学]

21日、慶応大学で、認知心理学と視覚障碍との関連を研究され
視覚障碍をもつ方の美術館へのアクセスについての研究で注目されている
マックギニス氏(メトロポリタン美術館・教育普及部統括エデュケータ)の講演会がありました。

講演会では主に視覚障碍をもつ方が、どのように世界を認知しているかということについて、
また、触覚と視覚の違い、さらには視覚以外で知覚することの可能性について
1時間という短い時間ながら(通訳付ですから余計)アウトラインを的確にわかり易くお話してくれました。
(さすが認知心理学者)

かねてからアドラー心理学を学び認知の方法としての、視覚、聴覚、感覚運動といった感覚タイプに
関心を持ち、それらが子どもたちの学びにどのような影響があるのかについて考えてきましたが
視覚障碍と芸術鑑賞という組み合わせを通して改めてそれぞれの感覚の特性(ユニークさ)について
気づかされ、考えさせられました。

特に面白いと思ったのは
メトロポリタン美術館のプログラムのひとつで、認知症の患者さんとその家族(普段ケアされている方)
が参加するものがあり、一緒に同じものを触るという芸術鑑賞を通して、二人の関係性がより深まる
というものでした。
このことについては、英語で質問をする人もいるような会場で大変勇気がいたのですが、とても興味があったので思い切って「具体的にどのようなプログラムなのか、また、清眼者と視覚に障碍のある方の間でも同じようなプログラムがあり、関係性の向上が見られるのか。」と質問してみました。
質問に対しては、「①言葉と触覚(触知可能な図)での作品鑑賞②制作活動③タッチコレクションの3つの場を用意しそこで一緒に活動したりディスカッションしたりすることを通して関係性が向上していくのがよくわかる。」と答えていただきました。
清眼者と視覚に障碍を持つ方の間でも勿論行われるようですが、これは通常の学校の、図工の時間、構成的グループエンカウンターのエクササイズとして、また、相談活動の一環として、教育活動のさまざまな場面で取り入れることができると思いました。

触覚と言語は、ともに、集中力を助長し、瞬間的で全体的な視覚より、詳細と特異性へのより緻密な観察を要求する。触覚と言語は、清眼者と視覚に障碍をもつ人々の両方の学習に貢献する。(講演会レジュメより)


帰りは趣のある三田のキャンパスのあちらこちらの手触りを想像しながら歩きました。

「色」についてはまた明日。





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。